日本映画情報システムは、日本映画情報(1896年~2022年06月劇場公開の日本映画作品(映倫審査作品)に関する情報)を検索することが可能です。
◎こんな方は・・・
・タイトル、出演者、スタッフなど複数のキーワードに当てはまる検索結果を出したい
・複数ある検索結果を公開年順、配給会社別などに並べ替えたい
⇒【詳細検索】をご利用ください
◎検索について詳しく知りたい方は「検索システムの使い方」をご覧ください。
複数の条件を指定して、 検索するページです。
近松門左衛門作の『大経師昔暦』を川口松太郎が劇化(オール読物所載「おさん茂兵衛」)し、それをもととして「忠臣蔵(1954)」の依田義賢が脚本を執筆、「噂の女」の溝口健二が監督に当る。撮影も同じく宮川一夫で、音楽は「千姫(1954)」の早坂文雄の担当。出演者は「銭形平次捕物控 幽霊大名」の長谷川一夫、「母の初恋」の香川京子、「君待船」の南田洋子、「新しき天」の小沢栄のほか、進藤英太郎、田中春男など。
出演者
ストーリー
京烏丸四条の大経師内匠は、宮中の経巻表装を職とし、町人ながら名字帯刀も許され、御所の役人と同じ格式を持っていた。傍ら毎年の暦の刊行権を持ちその収入も大きかった。当代の以春はその地位格式財力を鼻にかけて傲岸不遜の振舞が多かった。その二度目の若い妻おさんは、外見幸福そうだったが何とか物足らぬ気持で日を送っていた。おさんの兄道喜は借金の利子の支払いに困って、遂にその始末をおさんに泣きついた。金銭に関してはきびしい以春には冷く断わられ、止むなくおさんは手代茂兵衛に相談した。彼の目当ては内証で主人の印判を用い、取引先から暫く借りておこうというのであった。だがそれが主手代の助右衛門に見つかった。彼はいさぎよく以春にわびたが、以春の厳しい追及にもおさんのことは口に出さなかった。ところがかねがね茂兵衛に思いを寄せていた女中のお玉が心中立に罪を買って出た。だが以前からお玉を口説いていた以春の怒りは倍加して、茂兵衛を空屋に檻禁した。お玉はおさんに以春が夜になると屋根伝いに寝所へ通ってくることを打明けた。憤慨したおさんは、一策を案じて、その夜お玉と寝所をとりかえてねた。ところが意外にもその夜その部屋にやって来たのは茂兵衛であった。彼はお玉へ一言礼を云いにきたのだが、思いも寄らずそこにおさんを見出し、しかも運悪く助右衛門に見つけられて不義よ密通よと騒がれた。遂に二人はそこを逃げ出した。琵琶湖畔で茂兵衛はおさんに激しい思慕を打明けここに二人は強く結ばれ、以後役人の手を逃れつつも愛情を深めて行った。以春は大経師の家を傷つけることを恐れて懸命におさんを求めた。だがおさんにはもう決して彼の家へ戻る気持はなかった。大経師の家は、こうして不義者を出したかどで取りつぶしになった。だが一方、罪に問われて刑場へと連れられるおさんと茂兵衛、しかしその表情の何と幸福そうなこと--。
仕様
その他
Copyright© 2014 文化庁 All rights reserved.