日本映画情報システムは、日本映画情報(1896年~2022年12月劇場公開の日本映画作品(映倫審査作品)に関する情報)を検索することが可能です。
◎こんな方は・・・
・タイトル、出演者、スタッフなど複数のキーワードに当てはまる検索結果を出したい
・複数ある検索結果を公開年順、配給会社別などに並べ替えたい
⇒【詳細検索】をご利用ください
◎検索について詳しく知りたい方は「検索システムの使い方」をご覧ください。
複数の条件を指定して、 検索するページです。
「悲しき口笛」の監督家城巳代治の久しぶりの演出で、脚本は、松竹大船の脚本部の新人山内久と馬場当の共同による。撮影はやはり「悲しき口笛」の西川亨が当っている。製作は「醜聞」「花の素顔」最近では「東京キッド」の小出孝。主な演技者は「長崎の鐘」で共演した月丘夢路と津島恵子が、再び共演している。
ストーリー
作曲家志望の若いピアニスト真船清は、親友の画家小此木龍太と一緒に下宿生活をして、働きながら勉強を続けていた。江原雪子はバレリーナとして将来を嘱目された清純な乙女だったが、秘かに清を想っていた。そしてその父と共に、清にバレー曲を作曲してくれるように頼んでいた。清は龍太の紹介で、ノンキ座というレヴュー劇場へピアノのアルバイトに行って、そこで自分にとっては忘れられない女である宮田藤子の落魄した姿を見た。十年昔、少年清は、故郷の、美しい牧場と静かな森に囲まれた田舎町で、藤子からピアノの手ほどきを受けたのだった。牛乳配達をしながら将来の夢をピアノに托していた清にとって、藤子は単なる先生以上に崇高な慕しい存在になっていたが、藤子の上京で清の想いは無惨に打ち破られてしまったのだった。いま、戦争で夫を失い、芸術への夢を忘れ、唯生きることで精一杯な藤子の姿を見たとき、清の心は、藤子をいたわりたい心で一杯になった。ノンキ座の解散で生活の道を失った藤子は旧座主の思いのままになろうとさえ思うのだったが、ひたむきな清の情熱をふと思い浮べるとそれも出来なかった。清はついに自分の持っていた唯一の収入の道である舞踏研究所のピアノ伴奏の仕事を藤子に譲って自分は故郷の牧場へ帰ってバレー曲の作曲に専念することにした。美しい故郷の山河は清に美しい曲のモチーフを与えてくれ作曲は着々と進行した。東京からは、龍太、雪子、藤子の三人が清を訪ねて来た。牧場の夕暮に、藤子と清は十年前の思い出を新たにして思わず抱き合った。雪子はふとこの姿を見て悲しみに沈んだ。雪子の悲しみを見て、龍太は初めて雪子の想っていた相手が自分ではなく清であったことを知った。雪子の発表会の日、藤子は過去を持った自分よりも雪子の方が清を幸福に出来る女性であることを知って別れの手紙を残して、去って行った。
仕様
その他
Copyright© 2014 文化庁 All rights reserved.