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中野泰介の企画で脚本は「地獄の顔」「街の野獣」を脚色した柳川真一が書いた。「街の野獣」に続いて小坂哲人のメガフォン、撮影は「モデルと若様」「猿飛佐助」の竹野治夫。
ストーリー
小説のネタを拾うつもりで刑務所見学にやって来た作家保科浩は、気持が暗い方へ落ち込んで行くのを我慢しきれなかった。それは罪人達の彼を見る憎悪に満ちた目のためばかりではなく、彼を案内した司法主任重藤の性格の中に、冷静というより冷酷なものを感じたからであった。重藤は学校の同期生であり保科の妹藍子の許婚者でもあったのである。たった前釈放された三人の男に対する重藤の考え方は、保科にとってうなずけない冷たいものを含んでいた。「前科者という奴はダメなものだよ」と重藤は言った。だが保科はそう思わない。前科者も考え方一ツで立派に生きていける、彼はそんな小説を書くつもりなのだ。しかし現実は?釈放された三人の中の一人蒲原良三には、その日を千秋の思いで待っていた可愛いい妻さくらがあった。新しい出発をしなければならない蒲原にとって、妻さくらの存在がどんなに心強いものだったか。この妻のためにも一人前の男にならなければならない。彼は朝早くから職を探し歩いた。さくらは偶然にも藍子のやっている洋裁店に見習として働いていた。世間は前科者に冷かった。彼に職を与えようとはしなかった。生きる望みを捨てろというのか。蒲原の最初の意気はくじけて来た。「俺は前科者なんだ。立派な肩書さ」やけッ八な蒲原の泣言はさくらの胸を針のように突き刺した。しかし彼女は涙を隠して夫を励まさねばならなかった。その頃さくらのちょっとした言葉や態度から困っている事情を知った藍子も蒲原の就職を斡旋したが、重藤の出現で話はブチ壊れた。それが原因で藍子と重藤の恋情に些かひびが入ったようである。蒲原はついに伊知地という男の会社に職をみつけた。ところがそれは隠匿物資横流し専門の闇屋だった。そこで殺人事件が起った。前科者であるが故に、蒲原は知りもしない事件の犯人として、重藤の手により捕縛された。だが、総て分る時が来た。重藤の冷い心に、始めて人間らしい温いものが流れ始めた。
仕様
その他
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